北九州市の心療内科・精神科 - 黒崎こころのクリニック

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高齢者とお住まいのご家族へ

The elderly of the Family

高齢者をとりまく状況

65歳以上の高齢者の15%はうつ状態にあり、約5%はうつ病に罹患していると推計されています。

  • 環境の変化、第1線からの退却・役割の喪失(退職、子供の結婚や独立など)
  • 身近な人との別離(特に配偶者との死別)
  • 身体の変化、老化に伴う身体的な衰え、健康に対する不安
  • 老化に伴う精神的な衰え、もの忘れ、気力低下、認知症の初期にうつ病・うつ状態が起こることは少なくありません。

高齢者のうつ病の特徴

  • 気持ちの落ち込みよりも、頭痛、めまい、しびれ、肩こり、動悸、食欲不振、不眠など身体症状を訴えることが多い(仮面うつ病の特徴)
  • 不安・焦燥感が強く落ち着かなくなったり、「自分はもうダメだ」と悲観的になり易い。
  • 自殺率が高い
  • 反応が鈍くなったり、ぼんやりしたりして認知症がはじまったようにみえることがある(仮性認知症)

高齢者の自殺とその背景

身体的負担・健康問題

自殺した高齢者の多くは身体的異常を訴えており、治療を受けている。「楽になりたい」「元の体に戻らないなら死んだほうがました」と考える人が多い。

家族への精神的負担

自殺した高齢者のほとんどが家族と同居していた(独り暮らしの人は全体の5%以下)。生前に「長く生き過ぎた」「家族に迷惑をかけたくない」ともらしていた人が多く介護や看護の負担をかけることへの遠慮があったことがうかがえる。

喪失感と孤立

行動・交流範囲が狭くなると近親者への依存度が増加するため、配偶者、子、兄、弟、知人などの病気や死は強い喪失感を引き起こす。その結果、ひきこもりがちとなって孤立からうつに至る。

うつ病を疑うサイン
(ご家族が変化に早めに気づくために)

  • 以前と比べて表情が暗く元気がない
  • 周囲との交流を避ける
  • 趣味や外出をしなくなる
  • 飲酒量が増える
  • 普段やっていたことの効率が落ちミスが増える
  • 様々な体の不調を訴え、色々な医療機関や科を受診するが原因となる検査異常が指摘されない
  • 話さなくなる
  • 食事量が減る

以上の中であてはまるサインがある場合は受診をお勧め致します。

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